「ウルトラマンメビウス」第32話「怪獣使いの遺産」
宇宙調査員 メイツ星人ビオ 登場
35年前、ひとりの宇宙人が人間に殺害された。
彼は宇宙調査員として地球に来ていたメイツ星人。
しかし、地球の酷い大気汚染のせいで身体を壊してしまった。
宇宙船を隠し、金山と名乗り、身体の回復を待っていた。
そこで一緒に生活していた少年。彼の名はリョウ。
身寄りのない彼にとっては楽しいひとときであった。
それを暴徒と化した「市民」と一発の銃弾が引き裂いた。
リョウはメイツ星人が殺害されたあとも河原を掘り続けていた。
宇宙船を掘り出し、地球にサヨナラするために・・・。
(帰ってきたウルトラマン第33話「怪獣使いと少年」より)
数年後、河原を掘り続ける少年がいた。
彼が成長したリョウである。
アキコはピアノのレッスンの帰りによく「お兄さん」を見かけた。
母親が呼びに来たので手を振るアキコ。
ノンマルトのテーマと同じようなモチーフのBGM。
アキコの母親はリョウも宇宙人だと言う。
「怖いわねえ。宇宙人だなんて。」
「宇宙人だとどうして怖いの?ねぇ、どうして?」
そう。どうして宇宙人だと怖いのか?
母親は答えなかった。
いや、誰ひとり答えられるはずがない。
恐怖のあまり何もしていないメイツ星人を殺した愚かな人類には。
正体不明の宇宙船が大気圏に突入。
コノミの保育園が遠足に訪れたピクニックランドに飛来。
宇宙船には怪獣が冬眠状態で収納されていた。
メイツ星人はメビウスとテレパシーで交信。
「違う。我らに侵略の意志はない。」
サコミズ隊長は対話による歩み寄りを選択した。
ミライは山中でビオと出会う。
メイツ星人の目的は地球と友好を結ぶことだ。
ゾアムルチは地球人の「武器」・メビウス対策だとビオは言った。
ただ、その前に彼はやらなければならないことがあった。
30数年前の「メイツ星人殺害事件」の交渉だ。
これはメイツ星と地球との問題である。
ミライは怪獣なしで対話をするなら手出しをしないと約束。
握手をしようとしたその瞬間、リュウが発砲した!
どアホウッ!
リュウのせいですべてぶち壊しじゃい!
「見たまえメビウス。
地球人は自分たちと異なる者をすぐに敵と考える。」
負傷したメイツ星人は怒り心頭。
「こんな野蛮な連中にまともな話し合いなど出来るものか!」
信用を失ったメイツ星人は円盤を起動。
命を奪われた同胞の賠償要求に出る。
「大陸部の20%を我らに割譲せよ。」
当然、そんな要求は呑めるはずがない。
メイツ星人は宇宙船を操って進行を開始。
サコミズ隊長は語る。
「30数年前の出来事は二度と起こってはならない悲劇です。
無知と恐れが生みだした不幸な事件といっていいでしょう。」
「我々は自らの過ちを知り、改めなければなりません。
ですが、今、危機にさらされている人々を守ることが、
GUYSの使命であることにも変わりありません。」
メテオールによる攻撃も宇宙船は受け付けない。
傷が痛んできたビオは建物に寄りかかった。
「あのおじさん、ケガしてる。」
見ると緑色の血液が流れ落ちる。
「この人、人間じゃない。きっと宇宙人だわ。」
そう言って避けようとする保育士。
そんな保育士に向かってミーコは言う。
「宇宙人でもケガをしたら痛いよ。」
ミーコは自分ハンカチをビオに差し出す。
「はい。おじさん。」
ミーコと共にハンカチを差し出す園児たち。
園長先生は負傷したビオの左腕にハンカチを巻く。
ビオの元に駆けつけるミライとリュウ。
ミライの説得にもメイツ星人は聞く耳を持たない。
「我らの痛みを知るがいい!地球人どもめ!」
更に街を破壊し続ける宇宙船。
「ミライ何やってる。街が大変なことになってんだぞ。」
リュウ、お前が偉そうに言える立場か?
ミライはメビウスに変身。ビオはゾアムルチを覚醒させた。
リュウはビオに銃口を向けて叫んだ。
「怪獣を止めろ。」
「撃てばいい。野蛮で暴力的な地球人め。
ゾアムルチは私の脳波と同調している。
私の怒りと憎しみがある限り、決して破壊と戦いをやめない。」
「お前、そんなに地球人が憎いか。」
「ああ、憎いね。」
「仲間の復讐か。」
「仲間・・・仲間以上だ。殺されたメイツ星人は・・・私の父だ。」
構えた銃を降ろすリュウ。
「どうした。撃たないのか?」
「メビウスは必ず勝ってくれるさ。」
「宇宙警備隊員もたいしたことはないな。」
いや・・・たいしたことないのはメビウスだけですから・・・。
そこへ現れた園長先生。
「あなた、メイツ星の人?30年前に地球にいたのはあなたのお父様?」
「それがどうかしたのか。」
「わぁ、お会いたかったわぁ~。」
「会いたかった?」
「お兄さんが言ってたわ。メイツ星の人は本当に心が優しいって。」
「何の話をしている。おにいさんとは誰のことだ?」
「ご存じないの?」
リョウとメイツ星人のことをビオに話す園長先生。
アキコはリョウに質問した。宇宙船をみつけたらどうするのかと。
リョウは一足早くメイツ星に行って握手するんだと笑顔で答えた。
リョウの言葉に感銘を受けて保育園の園長になったのだ。
「あなたのお父様が地球人の少年に残した「愛情」という遺産は、
私の園の子供達がしっかり受け継いでいます。
この子達が大きくなる頃、この星はきっと、
今より優しくなっているでしょう。」
「この星が今よりも優しくなるだって?」
「なあ、オレが言えた義理じゃねえのはわかってる。
けど、もういっぺんだけ、地球人を信じてみてくんねえか?」
「私の父の遺産・・・。」
突然の雷鳴。降り出す雨。あのときと同じ11月の雨。
豪雨の中戦い続けるウルトラマンとムルチ。
帰ってきたウルトラマンと同じように投げ飛ばしてましたねえ。
「やっぱり、ダメなのかよ・・・。」
豪雨の中、天を仰ぐビオ。
「ダメなんだ!もう一度、
地球人を信じてみようと気持ちが起こっているのに、
すぐに憎しみが止められないんだ。
父のことを思うと、どうしても!」
「お願いだ!私の憎しみを消し去ってくれ!
ウルトラマンメビウス!」
ゾアムルチの光線を弾き飛ばしたメビウスは光線発射。
蒸気によってモーションが見えなかっただけかもしれない。
でも私にはスペシウム光線を放ったように見えた。
ビオの憎しみ=ゾアムルチは大爆発した。
豪雨の中、頭を垂れたまま動けないビオは何を思う。
雨が上がって、そらには虹が架かっていた。
ビオは地球を去ることにした。手を差し出すリュウ。
「握手は父の遺産の咲かせた花を見届けてからにしよう。」
そう言ってビオは去っていった。
河原の穴を掘っていたリョウはいつの間にか姿を消していた。
彼はどこへ行ったのか。
宇宙船を発見し、今頃はメイツ星人と握手しているかもしれない。
35年前の「怪獣使いと少年」に一応の決着をつけた作品。
しかし、ビオの憎しみはまだ完全には消えてはいない。
解決は「子供達」という次世代に引き継がれた。
あの事件は決して忘れてはならない「人類の負の遺産」。
そして、今の世代はまだメイツ星人に信頼されるに値しない。
あれから一世代経っても人類は「優しく」なれてはいなかったのだ。
園長先生役の斉藤とも子さん。ビオ役の吉田智則さん。
彼らの演技も光っていましたね。
あ、回想シーンの金山老人役も吉田さんでしたね。


















































この記事へのコメント
今回のメイツ星人、よい方向へは進むことは出来なかったけど、ある意味、我々に与えられた課題かもしれません。けど、新マンで衝撃だった、あの銃殺場面が新撮だったのが驚きました。
では、失礼します
かなりグッときました。テッペイの言うとおり
最初に宇宙人を見た時こわい 園長先生が遺産が子供達につがせている。帰マンとの話が上手にリンクされていますね。怪獣説明も細かくかいてありましたね。おそらく伊吹隊長が書いたんでしょうな
かなりグッときました。テッペイの言うとおり
最初に宇宙人を見た時こわい 園長先生が遺産が子供達につがせている。帰マンとの話が上手にリンクされていますね。怪獣説明も細かくかいてありましたね。おそらく伊吹隊長が書いたんでしょうな
課題は次世代に持ち越しですか。
私たちの世代でカタを付けられなかったってことですからなんだか複雑です。
メイツ星と地球の友好関係はいつ実現するのでしょうか・・・。
サコミズ隊長は軍人肌の伊吹隊長とは正反対です。ムルチはテッペイの言うことはわかりますが私は支持できません。彼はいわゆる「エリート」と呼ばれる路線を歩んできた人です。
結局は見た目で判断しているということですから、彼らの世代でもダメと言うことです。
しかしいつの日か必ず優しくなって欲しいものですよね。 特に我々の子供達の未来を考えた時には。
どんな相手にも優しくできる。
どんな相手とも仲良くなれる。
我々の子供達はそう言う世代に育てたいと思いました。
それが「優しく」なれなかった私たちの世代のせめてもの罪滅ぼしなのかもしれません。
改めて「怪獣使いと少年」を観て、何か考えさせられてしまって。
暗くなってしまいました。
今回の司令室、なんか暗かったですね。
雨の中の戦いは、けっこう熱い。
まあ、次回も面白そうだなあ。
それと、休養宣言をしました。
今年1年間、いろいろとお世話になりました゚∀゚)ゝ
来年もよろしくお願いします。
それでは、まだ11月ですが、良いお年を~
ある意味ウルトラマンが倒さなくてはならないのは現代社会かもしれません。
銃撃のシーンが新撮だったのがおどろきました。
やはりウルトラマンは第3者なのですね。
その星を監視してはいても介入してはいけないのでしょう。
侵略をから守るのはあくまで宇宙警備隊員の仕事ですからね。
前作の新撮がまたいい感じに撮られていましたねえ。
受験頑張って下さい。
来春の朗報&復帰をお待ちしてます。
また気晴らしに遊びに来て下さい。
追伸:私のブログからはトラックバックがちょっと出来なくなったみたいです…(TT)
余分なトラバは削除しておきました(笑)
厳しい言い方をすれば私は上原正三氏のメッセージは完全には受け止められていないと思います。「差別」というのは今も「現実」であり、「イジメ」や「イジリ」というふうに形を変えて存在しています。勿論、人種差別なども「健在」です。
今の世代のスタッフ達ではこのくらいかな、という感じ。上手くまとめたとは思います。
次の世代に受け継がなければならないという点を指摘しただけマシだったとは思いますが。
いい作品だとは思いますが、私は傑作とまでは言えません、とても。
おそらく、「いじめ」「差別」「偏見」は未来永劫に続くでしょう。その意味では「提言」に続く続く「実践」を描く必要は確かにあります。
ただし、暗い現実に一筋の光を照らしたこと。これだけは見逃してはならないと思います。絶望のとき、何もアクションを起こさなければ絶望のままなのもまた事実ですから。
さらに次の世代に「優しさ」を受け継ぐ。
「差別」へのアクションは30数年前に私たちの世代に提起されたはず。
学生時代、「差別」に対してアクションを起こした私が次の世代に「優しさ」を受け継げなかったことも事実。
それは、頭の中だけで解決できることではないから。人が人として他者に示す「優しさ」を失っていない子供達には同じ轍を踏まないでほしい。子を持つ親として痛感しています。
一つの決着はつけましたね。
ただ我々が「差別」を認識し、アクションを続けなければと痛感させられました。
まだ、現実世界では決着してませんから。
そういう意味ではこれは「続編」として見てはいけないのかなという感じです。